ニックスの得失点チャートまとめ
観賞用。
11/20 LAC@NYK 雑感
意外と勝ってるニックスと意外と負けてるクリッパーズ。クリッパーズはクリス・ポールやレディックらを失ったとはいえ8連敗もするような戦力ではないと思うけど、何が原因なんだろうか。数字はまんべんなく全体に悪いから試合を観ないとよくわからないなあと思いながら観戦。ニックスはOpp 3PAをどこまで減らせるか。
さて、終わってみればニックスの快勝。危ういところもありながら「これは勝てるな。パスタでも茹でるか」と試合途中に思わせるくらいの優位性があった。ニックスの勝利を決定づけたのはポルジンギスのグリフィンへのディフェンス。高さで上回り、速さで上回り、長さで上回った。器用なグリフィンだけどチームのオフェンスをコントロールしながら高さと速さを兼ね備えるポルジンギスを突破するのは容易じゃない。ポルジンギスにとってはグリフィンは最も守りやすいタイプの選手だし。外はそれほど確率が高くないから距離を開けられるし、スピードはそこそこあるけどエース級ガードほどじゃない。体を当てられても押し負けない体格差がある。
Sports Science: Kristaps Porzingis ポルジンギスのディフェンスを見ながら思い出したいつぞやの
それでもグリフィンを起点にし続ける(せざるを得ない?)のがクリッパーズの脆さであり悩みなのかな。テオドシッチが戻ってくれば変わるかもしれないけどそれまでは辛い時期が続きそう。
気になったというか印象に残ったのがファストブレイクから前を走ってアリウープのコールをしたけどパスが出ず悔しがるデアンドレ・ジョーダンの姿。試合を通して全くインパクトがなかったけど(10得点/9リバウンド/0ブロック)、大丈夫かな。カンターすら抜けないポストプレイをしたりしてるけど大丈夫かな。
手を叩いて悔しがるデアンドレ。あのタイミングでパスを出せるのはCP3くらいだと思う
ニックスはポルジンギス以外に、落ち着いたプレイメイクが光ったジャレット・ジャックや、デアンドレ相手にオフェンスリバウンドをもぎ取りまくったカンター、高確率でスリーを決めたマクダーモットなどもチームの勝利に貢献した。スターターが全員二桁得点というバランスの良さも素晴らしい。セッションズも久しぶりに活躍した。
一方でアウトサイドシュートのチェックはやっぱり緩くてローテーションもいまいち。32本の3PAを許してる。ディフェンスはマクダーモットやニリキナみたいな潤滑油的な選手がスターターにも必要かな。ニリキナはあともう少しオフェンスがうまくなれば…。マクダーモットは、スターターにしようとするとリーあたりを控えにしないといけないのが難しいところ。結構うまくいきそうな気もするけど、リーの気迫はスターターに絶対に欲しい。
リーのこの表情が好き
ともあれこれでニックスは9勝7敗。16試合消化し、いろいろと強みも弱みも見えてきた気がする。チームのNETRTGは0.0。選手ではポルが6.2でトップ。次いでマクダーモット、オクイン、ニリキナと続く。マクダーモットはDEFRTGが100.7で、ランス、ニリキナを抑えてチーム1位になった。全体に数字と試合観戦の印象が一致するあたり、チームとして整ってきてる感がある。
草草
クズミンスカス解雇
売買ならずバイバイ。
クズ解雇。
字面がひどい。
本音を言えばもうちょっとプレイを見たい、的なことを言った傍から。
何なんでしょう、この消化不良感。クズミンスカスについては、好感度は高かったけど実力的にチームの再建の中心になれるかっていったら疑問な選手で、年齢も年齢だから大きな戦力というより賢く生き抜いて貢献してくれたら、くらいに思ってた。それがまさかあっさり解雇とはね…。
先日からベイカーとドットソンはGリーグでプレイしてたのにクズミンスカスは行かないの?と気になってたけど、トレードがダメならWaiveは既定路線だったのかもね。こうなってくるとエルナンゴメスは大丈夫なのか怖い…。そして帰ってくるノアは一体ニックスに何をもたらしてくれるのか。混乱か、知性か、とっておきの飛び道具か。飛び道具はないか。
さて、クズミンスカスがどういう選手だったか、あらためて振り返ってみる。
クズミンスカスは、プロキャリア7年の選手で、過去リトアニアリーグのシャウレイ、ジャルギリス、スペインリーグのマラガに所属。通算221試合に出場し、平均8.3得点、2.9リバウンドを記録している。リトアニアリーグでは、過去4度(2010、2011、2012、2013)オールスターに選出された。
http://www.nba.co.jp/nba/knicks-signed-mindaugas-kuzminskas/13tgojwqbvh1s184wzwe4pa12v
は〜。今更ながらリトアニアではオールスターに4年連続4回。それも2010年からってことは21歳からかな。21からオールスター。すごいね。わりとハンサムだし、祖国リトアニアでは大スターだったんだろうね。
Wikipediaによると、プロキャリアはリトアニアでスタートしてるけど21歳の頃にNBAドラフトに参加した経験があるらしい。しかしどこからも声はかからず。そこから5年経って念願のNBA入り。それも低迷してるとはいえ大都市の人気チーム、ニックスに。どんな思いだっただろうね。そういえば美人の彼女がいたよな。リトアニアから付き合ってた人かな。一緒にニューヨークに引っ越したのか?
と思って「kuzminskas marriage」でググったらすぐにこんな記事が見つかった。
いやー。幸せの絶頂。ヴィリニュス※1の田舎町で長年付き合った彼女(美人)とミンダウガス王の戴冠式の日※2に結婚って?どんだけルサンチマン煽れば気が済むんだこのリア充は。
※1 ヴィリニュスはリトアニアの首都。旧市街は世界遺産にも登録されており、古式ゆかしい風景の残る素敵な街です。
※2 これを書きながら初めて知りましたが「ミンダウガス」ってリトアニアの国王の名なんですね。初代リトアニア大公にしてリトアニア唯一の国王。謎多き人物らしくなかなか興味深い。ミンダウガスの名を持つクズは王の系譜を持つのか、それとも単によくある名前なのか。
7月、死亡フラグが疑われるレベルで幸福感の溢れる結婚式を上げたが、9月にはユーロ選手権で活躍してる。これで心身ともに充実しないわけがない。今NBAでプレイしなきゃいつやる、くらいの気持ちだったと思う。
10月、ついにNBAが開幕した。フィル・ジャクソン、メロはチームを去った。私生活は新たなステージへ移り、チームは再建モードに入った。しかしクズに与えられる役割はなかった。
11月、チームは思った以上に勝ってる。新たに契約した選手たちは既にチームになくてはならない存在と化した。しかしクズにプレイタイムはない。ニューヨークにクズの居場所はなかった。
振り返ると落差がすごい。幸福と不幸が完全にスイッチしてしまった。やっぱり結婚式はフラグだったんだ。
プロ入り前の経歴はわからないけど、恐らくクズミンスカスは苦労人っていうタイプではないかと。どちらかというとエリートで、家柄も裕福な層に属してそう(注:妄想)。何日か前のインタビューで自身の起用について不満を述べてたけど、あの発言に挫折慣れしてない感を感じ取った人は少なくなさそう。今回の解雇はザ・挫折だけど、美人の彼女と共に挫けず頑張って欲しい。どこか拾ってくれるチームはあるだろうし、NBAでもまだプレイするチャンスがあるかもしれない。戦術とマッチしたら活躍できるだけの能力はあるはず。頑張れ。
とりあえず、バイバイ。お疲れ様でした。
現地11/11のSAC戦にて
出場時間管理の話
ホーナセックが良いHCかどうかはわからないけど、ツイッターを見てると、出場時間管理を巡っては特にエルナンゴメスの処遇に関して不満だとする意見が多いのでちょっと思うことを書いてみる。
まずニックスのローテーションだけど、今のところ10人でローテを回してる。ほぼ毎試合出場して、平均10分以上の出場時間をもらってる選手が10人。
他チームはどういうローテで回してるか。ほぼ毎試合出場かつMIN10分以上の選手の数でいうと、うまく選手を活用してる印象のセルティックスは11人。ウォリアーズは10人(MIN8分以上だと13人だけど)。OKCも10人。
まあこんなもんだよね。出場選手は基本的に10人くらいで、スターター以外の選手も平均10分は出場時間を確保するのが恐らく真っ当なチームの運営方針。ニックスも非常にまともだとわかる。
次にラインナップのパターン数だけど、ニックスは107。セルティックスは136。ウォリアーズは121。OKCは98。他チームを見ても全体に100~120くらいのところが多い。
セルティックスが特に多いのは戦術の多様性ってこともあるかもしれないけど、多分ヘイワード離脱の影響が大きい。ロケッツはかなり少なくて84通りしかない。ダントーニの性格かな。でも基本ハーデンを中心にチームが固まってるからあれこれ変える必要なし。CP3が戻ったらいろいろ変わるかも。
ニックスは特にいろんなラインナップを試してるわけじゃないが、さりとてパターンが少なすぎるわけでもない。あまり多くても効率的じゃないし、試行回数が少ないと評価ができない。何より今は勝ってる。たまたまじゃなく、いい兆しもある中でである。十数名で選手を回しても何百何千というパターンがあって(理屈では)、一選手ローテに加えるのは簡単なことじゃない。誰かと入れ替えるなら話は早いけど、誰を外してってすぐに言えない状況なら勝ってるうちは黙って見守るのが吉かと思う。
とはいえ心情としてはもうちょっとエルナンゴメスやクズミンスカスが見たい!特にクズミンスカスの扱いはあんまりだ。ガベージタイムで出すにももうちょっとましな出し方がないかな。4Q残り1分って…。トレードするつもりだから怪我をさせたくないって考えなのか…?エルナンゴメスは課題のディフェンスをと言うものの、いろいろ勘ぐるネタはある。クビのかかったHCが何の考えもなしにAll Rookie 1stに選出された期待の若手を干すわけがないとは思うけど、のっぴきならない状況だけに短期的に勝てるチーム作りを優先するっていうインセンティブもあるのかな、とか。
草草